菊は仏花に用いられる定番の花ですが、色とりどりの種類があり様々な都道府県で生産されています。
今回は菊の都道府県別生産量ランキングや和菊と洋菊の違い、かつお墓参りやお彼岸の際におすすめの菊を用いた仏花を紹介いたします。
菊の都道府県別生産量ランキング

初めに、菊の都道府県別生産量ランキングを発表いたします。(農林水産省の出荷量データからランキング作成)
順位 | 都道府県 | 出荷量(千本) |
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1位 | 愛知 | 419,000 |
2位 | 沖縄 | 202,700 |
3位 | 福岡 | 66,800 |
4位 | 鹿児島 | 58,000 |
5位 | 長崎 | 49,500 |
6位 | 奈良 | 43,500 |
7位 | 静岡 | 41,300 |
8位 | 茨城 | 25,400 |
9位 | 福島 | 22,900 |
10位 | 長野 | 21,800 |
菊の国内全体の生産量(出荷量)は約1,187,000千本であり、上位2県で全体のほぼ半数が生産されています。また、東北から九州まで幅広い地域で生産されています。
主要産地の特徴

続いて、菊の生産量上位3県の特徴について紹介いたします。
1位 愛知県 (出荷量シェア35.3%)
愛知県の主な菊の生産地は、「田原市」「豊川市」です。田原市は渥美半島に位置しており、輪菊の生産量は全国1位を誇ります。
2021年からはJA愛知みなみ輪菊部会がカラーリングマムに挑戦しています。また、沢山の試作を重ね現在は全国に向けて発信しています。

菊科キク属の多年草で、蕾を摘んで一輪仕立てにした花
日本を代表する花のひとつで葬儀、仏花、祭壇に用いられます。
2位 沖縄県 (出荷量シェア17.1%)
沖縄の暖かい気候と電照栽培によって小菊の出荷量が全国トップクラス。
沖縄県の主な菊の名産地は「恩納村」「糸満市」「読谷村」です。恩納村では冬の12月〜3月の間、期間限定で見られる為にまさに冬の風物詩。

夜間に照明を当てて開花時期を遅らせ年間を通して安定した出荷を実現
恩納村喜瀬武原は電照菊の栽培が盛んな地域で、赤色のLED電照菊を観賞できます。
3位 福岡県 (出荷量シェア5.6%)
福岡県の主な菊の生産地は「八女市」「糸島市」「広川町」です。輪菊の生産量が全国第2位を誇ります。
福岡にある太宰府市では「太宰府天満宮 菊花展」が開催され、大輪や大懸崖盆栽などの菊を展示しています。期間中は菊の苗や切り花の販売も実施されています。
宗像大社 辺津宮では西日本最大級の規模を誇る「西日本菊花大会」が開催され、大輪や懸崖盆栽など約3,000鉢が展示されます。他にも菊苗、菊鉢の販売も行われています。
和菊と洋菊の違いは?

和菊と洋菊の違いは、日本で生まれた品種を和菊といい、欧米で育種、和菊を品種改良したものを洋菊と言います。
和菊の種類
和菊は、古代の日本で宮廷の上流階級の間で親しまれていた植物です。またパスポートの表紙にも1926年から菊の紋章が採用されています。
日本三大名菊と言われている品種は「肥後菊」「嵯峨菊」「江戸菊」があります。肥後菊は、熊本県で生まれた菊で、一重咲きで平開する薄物の花が特徴。花言葉は「堅実な心」です。
嵯峨菊は京都府右京区嵯峨で育成された鑑賞菊で糸のように細い花弁が特徴であり、花言葉は「高潔」です。
江戸菊は江戸時代に生まれた中輪の菊で花弁が変化する特徴を持ちます。また狂い菊、芸菊、舞菊とも呼ばれます。花言葉は「信ずる恋」です。
花の大きさによって「大菊」「中菊」「小菊」と分けられ、開花時期によって「夏菊」「夏秋菊」「秋菊」「寒菊」と呼び名が変わります。
洋菊の種類
切り花として流通している菊のほとんどが洋菊です。洋菊はマムとも呼ばれており、花が大きく、色や咲き方が豊富なことが特徴です。
洋菊の代表的な種類は「スプレーマム」「ピンポンマム」があります。スプレーマムの花言葉は「甘い夢」、ピンポンマムの花言葉は「嬉しい夢」
一重咲き | 花びらの数が一重で、中心に花芯が見える |
アネモネ咲き | 花の中心が膨らんでいる、別名 丁字咲き |
スパイダー咲き | 花びらが細長い、放射状に広がって見える |
デコラ咲き | 中心が見えないくらい花びらが詰まって咲く |
ポンポン咲き | 花びらが八重で、半球に見える |
スプーン咲き | 中心に近い方の花びらは筒状、先端がスプーンの様に見える |
菊は様々な形状の咲き方があり、スパイダーやスプーンのようにその形になぞらえて咲き方の名前も存在しています。
菊を用いたおすすめ仏花2選

ここからは菊を使用したおすすめの仏花を紹介します。
菊を用いたお供え花2束セット
【予約購入】収穫したばかりの新鮮な菊を使用したお供え花セットです。ピンク・レッド・複色から色を選べます。
色別に花言葉が変わるので、気持ちに適した菊を選んでみましょう。
枯れない菊の造花
水換えやお手入れ不要の枯れない造花はアレルギーをお持ちの方やペット、小さなお子様がいるご家庭に人気があります。
様々な産地の菊を選んでみよう!
今回は、2025年版の菊の産地と生産量をランキング形式にして紹介いたしました。菊と言っても様々な形や色があることが分かりました。
菊は仏花で亡くなった方に供えるお花の印象が強い方が多いと思いますが、それだけではないことが分りましたね。
古代の日本で宮廷の上流階級の間で親しまれていた植物であったり、近年進んで取り組まれているカラーリングマムなど違った視点がありました。
様々な産地の菊を贈り物やお彼岸、お墓前りなどの仏花として選んでみてください!

最後までご覧いただきありがとうございました。
菊はどこの都道府県で生産されているんだろう?